クロノグラフの永世定番であるエル・プリメロ。その意匠を確認しつつ、今年アップデートされた新作が紛れもなくゼニスのクロノグラフであることを解き明かす。
今年のLVMHウォッチ ウィークで発表され、瞬く間にスターダムへとのし上がったゼニスのクロノマスター スポーツ。当初は、業界で最も有名なクロノグラフに似ているとか、過去にそのブランドへエル・プリメロ ムーブメントを供給していたエピソードも含めて話題となった。今なお人気は加熱しているようで、ブレスレット仕様の白文字盤モデルは店頭に並ばないほどの状況だという。
“ゼニスにとっては、ブランド始まって以来の出来事”とCEO自ら語るほどの人気ぶりを見せるクロノマスター スポーツだが、一体何がそんなに評価をされているのか、またこれはゼニスにとって新世代のエル・プリメロとして正統な時計であるのか、現在も現役で同社のフラッグシップであるクロノマスター エル・プリメロ オープンと比較しながら考えてみたい。
まずはこの2モデルに共通するところとそうでないところを確認したい。といって、実のところほとんどが異なるのだが、少し正確な言い方をすると、2003年に初登場し2012年に現行デザインとなったエル・プリメロ オープンが堅持した特徴をベースに、アップデートがなされたのがクロノマスター スポーツである。長いあいだ形を変えることなくその個性を熟成させたエル・プリメロ オープンを、現代の潮流となっているよりスポーティな方向に調整したものだ。
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